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19-20年秋冬はアウターバリエーションを強化 期待はボアとダウン

「ユニクロ(UNIQLO)」の2019-20年秋冬は、機能性が生むシンプルな美しさというブランドのエッセンスを改めて感じさせる内容になっている。ベーシックなニットやデニムなどの“ワーク&クラフト”、北欧デザインを思わせる“アート&デザイン”、落ち着いたカラーで街でも着られるようにした“ザ・アウトドア”の3テーマで構成。クリストフ・ルメール(Christophe Lemaire)による「ユニクロ ユー(UNIQLO U)」でこれまでのシーズンに好評だったデザインやスモーキーなカラーリングを通常ラインにも落とし込み、全体をアップデートした。

06_19-06-05IMG_4952.webp“ワーク&クラフト”で注目なのが、ボアフリースのアウター類。一昨年、昨年ともウィメンズ、メンズでボアフリースが好評だったことを受け、今季はさらに充実。フリースといえば「ユニクロ」の長年の看板アイテムの一つだが、「ボアフリースは通常のフリースとはまた違った印象で受け入れられている」(広報担当者)という。ロングコート(3990円)やライナーとしても便利なVネックのショート丈、ハイネックのブルゾンなどがそろう。「ユニクロ」は昨秋冬、暖冬によって特に国内事業が苦戦したが、ボアフリースなら暖冬でも購買が見込めるという点もポイント。

02_19-06-05IMG_4837.webp“アート&デザイン”は、北欧デザインから着想したモダンでクリーンなイメージ。色のトーンをそろえた、オフィスにもぴったりなきれいめスタイルがそろう。注目はダブルフェースのコクーンコートだ。他社も軒並み企画している今季の期待アイテムだが、7990円という価格にはかなりインパクトがある。セーターとスカートなどのニットセットアップも豊富に企画した。ニットは、セットアップを含め一部でふわふわの質感の糸“スフレヤーン”を初めて導入し、着心地をさらに高めている。

“ザ・アウトドア”の目玉は、防寒アウターの充実だ。薄手のインナーダウンのイメージが強い“ウルトラライトダウン”シリーズで、ボリュームたっぷりのダウンジャケットを企画。分量感があっても、付属のミニポーチにしまえて持ち運びが可能という点は、通常の“ウルトラライトダウン”と同じ。価格はメンズ、ウィメンズともに6990円。N-3B型のダウンコート(7990円)は、ダウンパックが表地からは分からず、街着にもぴったりなデザイン。また、これまでロシアや中国など一部寒冷地のみで販売していたダウンと吸湿発熱の中綿を組み合わせた“ハイブリッドダウンウルトラウォームコート”(1万5900円)を日本でも販売する。ブランドのグローバルアンバサダーであるプロスノーボーダー、平野歩夢選手の競技ウエアも同様にダウンと中綿を組み合わせているといい、「『ユニクロ』で最も温かいアウター」となる。全体として、赤や黄などのアウトドアウエアによくある強い色も使っているが、やや色調が落ち着いているのがポイント。

「ユニクロ ユー」は、マスタードやレンガなど、ルメールらしいスモーキーカラーが今季も特徴。差し色として取り入れた緑が鮮やかだ。ダウンジャケットや“ブロックテック”のコートなど、ここでもアウターがキーの一つだが、もう一つ大注目なのがウィメンズのボトム。“カーブパンツ”という、曲線パターンによって足をきれいに見せる新シルエットのパンツを、「ユニクロ ユー」としてだけではなく、「ユニクロ」全体として推していく。デニムやコットンサテン、ジャージーなどの素材がある。

“ヒートテック”はカラーバリエーションを広げ、防寒インナーとしてだけでなく、レイヤードの一部として見せていく。昨年の “ヒートテック”と「アレキサンダー ワン(ALEXANDER WANG)」との協業商品でも人気だったというボディスーツ型が新たにラインアップに加わっている。

「バルマン」デザイナーと「H&M」クリエイティブ・アドバイザーに聞く、見所とコラボの背景

「H&M」と「バルマン(BALMAIN)」とのデザイナーズコラボアイテムの発売が11月5日に迫っている。そこで、「バルマン」のオリヴィエ・ルスタン=クリエイティブ・ディレクターと、「H&M」のアン・ソフィー・ヨハンソン=クリエイティブ・アドバイザーの発言を、ニューヨークで行われたメディアカンファレンスとの独占メールインタビューからまとめてみた。

20150511fessnap023.webp「H&M」からコラボのオファーがあった時の率直な感想は?

これまでのデザイナーズコラボをはじめ、「H&M」はすばらしい仕事をしてきたので、その一部になれるのは光栄だし、感動的だと思った。私はまさに「H&M」世代の人間。最初に買ったジャケットは「H&M」のものだし、過去のデザイナーズコラボの発売時に並んだこともある。グローバルに展開していて、世界中の「H&M」の店舗で「バルマン」とのコラボ商品が販売されることもうれしい。

「H&M」が「ロベルト・カヴァリ」とコラボレーションした時(2007年)にオリヴィエはアシスタントをしていて、その頃から絶対成長すると目を付け、コラボ相手のウィッシュリストにずっと入っていた。

発表当時から#BALMAINATION(バルマネーション)のハッシュタグを使って情報発信してきたが。

今回のコラボで、「バルマン」と「H&M」が団結し、多くの人々を「バルマン」の世界に招待し、夢のようなアイテムを手に入れてもらいたかった。このハッシュタグは、そのムーブメントとしたかった。

毎年いろいろなブランドとコラボする理由は?

いろいろなブランドと仕事をすることは貴重な経験になるし、いろいろなブランドとコラボすることで、私たちのカスタマーに興味を持ち、好意をもってもらうことができる。また、「バルマン」、そしてオリヴィエの場合、SNSを用いた手法が今の時代にマッチしていると思い、「H&M」のSNSのファンを作るのにもピッタリだと思った。

商品については、「バルマン」が好きとか、僕のSNSをフォローしてくれている人々が、アクセス(購入)しやすいものを作りたいと思った。それと、今回は、2~3分でぱっと消えてなくなってしまう花火のような美しさやはかなさのある取り組みだと感じていた。だからこそ、アイコニックなアイテムを作り、欲しいものと美しいものが共存するようにしようと考えた。一番好きなのは、パールのダブルブレストのジャケットだ。「バルマン」のクリエイティブ・ディレクターに就任後、初のコレクションで作ったアイテムであり、その情熱や気持ちなど一番思い入れのあるアイテムだからだ。実際にクオリティー的にも高いレベルものものに仕上げられた。

高い技術を要するアイテムばかりでチャレンジングだったが、それこそが「バルマン」の世界を表現することにつながる。

今回は香水も発売することになった(12月3日に発売予定)。「H&M」のコラボだから手が届きやすいものが多いのだけれども、もっと手に入れやすいアクセサリーや香水を用意したかった。

「H&M」では9月から「H&Mビューティ」ラインをスタートしたばかりなので、タイミングも良かった。

「バルマン」はファッション業界のマイケル・ジャクソン?▶

SNSを通じていろいろなことを学んでいる。特にインスタグラムは正直に世界が見える。好きならフォロー、嫌いならアンフォローと関係性もわかりやすいし、「良かった」「嫌だ」などのコメントを見て、リアリティチェックをしたりもしている。逆に大嫌いな人ともフェイス・トゥー・フェイスで向かい合うことを通じて強くなっていくこともできる。両方が必要。インスタグラムなくして生きてはいけない。

昨秋のアレキサンダー・ワンとのコラボ発表を大型ファッションフェスのコーチェラで行ったのに続き、今回はラスベガスのビルボード・ファッション・アワードでコラボを発表した。その理由は?

「H&M」のPRの方々とも相談して、「バルマン」のファンがいる有名な音楽イベントの中で発表し、新しいコレクションの一部を見せることが、インパクトや情報発信力につながると考えた。

メンズは自分が着たい、まさに自分のクローゼットの服を作った。ウィメンズはインスピレーションを与えてくれる自分の友人たちイメージした。ダイバーシティーを意識していて、カクテルドレスやレザージャケット、総刺しゅうのジャケット、シェイプなど強い女性をイメージしたものも多いけれども、メンズコレクションはウィメンズでも着られるものになっている。

ヤング、若さをキーワードにした。ケンダル・ジェンナーやジョーダン・ダン、ジジ・ハディッドなど僕の友人たちを「H&M」の世界に連れてきた。僕もクラウディア・シファーやナオミ・キャンベルなどトップモデルが好きだった。今回は今の若い人々にとってのスーパーモデルを起用した。実はビルボード・ファッション・アワードの時にはすごく緊張していて、ケンダルとジョーンズが手を取って「大丈夫だよ」とサポートしてもらっていたんだ。

ファッションと音楽の関係について考えていることは?

僕が一番好きなのはマイケル・ジャクソンで、人生の中で一番影響を受けた。彼はファッションと音楽の両方ですごく存在感や影響力があったし、“キング・オブ・ポップ”として、ポップ=大衆的な人気を持っていた。「バルマン」もラグジュアリーでありながらポップでありたいと思っている。

お金とスタイルの関係性についてどう考える?

お金がないからスタイルがない、とは思えない。要はどういうアティチュードでいるかが重要だ。

服が自分を形成するのか、それとも、服を着ていないときにはどうなるのか?

僕のSNS、フォローしている?僕が雑誌(フランス誌「テトゥ」)の表紙に裸で出たのを見ている?とても気持ち良かったし、裸でも強くあるには、アティチュードが必要だ。ファッションはアティチュードの一つであり重要だが、なりたい自分になること、パワフルになることが大切だ。

僕にその質問をするの?え~っと、デジタルの世界は革命的で革新的で新しいことが次々と生まれてきている。雑誌も重要な存在だけど、もっと革新的なこと、新しいことをしていくことが大切だと思うよ。

「バルマン」とコラボレートをするときに妥協は一切できません。ユニークさにもクオリティーにもアティチュードやスタイルにも妥協はできない。「H&M」は真のブランドのDNAを求めていて、「バルマン」の別バージョンには興味がなく、彼らのお客さまに真の「バルマン」を経験する機会を与えようとしているのが素晴らしかった。自分が作りたいコレクションを、「バルマン」でしか見つけられないようなリッチなディテールやパワフルなアティチュードで作る自由があったことがデザイナーとしてもとてもエキサイティングだった。

このコレクションをデザインしたときはトップシークレットだったので、誰にも伝えられず本当にクレイジーだった!「バルマン」や「H&M」でもごくわずかな人が知っていて、秘密が漏れないようにコードネームを使っていて。私は常に友達と話をして全て話すことが好きなので、とても楽しみにしていた「バルマン×H&M」のことを秘密にしていなければいけないことは本当に難しいことだった。友人のジョーダン・ダンやケンダル・ジェナーがこの秘密のプロジェクトに参加してビルボードミュージックアワードに出てくれたときは本当にうれしかった。大きな秘密を知っている子供みたいな気持ちで、世界中に伝えられたのは素晴らしい瞬間だった。

とてもおもしろい質問だ。なぜなら、私自身は最近のシーズンは自身のメンズとウィメンズコレクションが近付いてきていると感じているからだ。特にメンズに関してはその通りで、私たちのメンズカスタマーはウィメンズコレクションのような魅力的で力強いアイテムを求めている。近年メンズウエアはとても強くなってきており、最近の男性は洋服に遊びを入れて冒険することが好きになってきている。メンズウエアが非常にエキサイティングな時なので、「バルマン」で初のメンズウエアのショーを夏に開催する予定だ。

フレッシュで新しいインターナショナルなデザイン感覚を持った年代の人と働くことはとてもエキサイティングなこと。私たちがデザイナーズコラボを始めた時、ファション業界においてこれらがここまで大きなものになるとは思ってなかった。また、オリヴィエ・ルスタンという名の若者がファッションでの未来の成功を胸に、列の最前列に並んでいたことも知るよしもなかった。オリヴィエが一人のファンと、クリエイティブ・ディレクターと、両方の立場で「H&M」のコラボ企画を体験していることはとても素晴らしい。私たちは若い世代の人々に影響を与えることができてとても光栄だ。特に「H&M」 デザインアワードはその例だ。若い学生たちがオリヴィエの例に影響を受けることを考えるととてもワクワクするし、いつの日か彼ら自身もコラボレーションをできるかもしれない。

アン・ソフィー:私たちは、今までに創ったコレクションの中で一番高精度な今回のコレクションをとても誇りに思っている。私たちが最初に「バルマン」に話を持ちかけた時、「バルマン」のエッセンスをキャプチャーするために試行錯誤しなければいけないと覚悟していたし、とてもチャレンジングではあったが、実りある道のりだった。オリヴィエと働くことで一番すばらしかったことは、彼が一つ一つのディテールにとてもこだわったことだ。装飾だけでなく、ドレスのバックスタイルのジップのサイズ、セーターの肩ボタン、そして、ロゴTシャツのロゴのプリントの間隔にまで及んだ。今回のコレクションを見れば、彼がすべてのアイテムにとても深く関わっていたことを感じられると思う。
長くデザイナーズコラボを行ってきた中で、今回の「バルマン」との協業はどのような存在・位置付けになるのか。また、これまでに比べて、もっとも特異的だった点は何か? そして、次に協業してみたいデザイナーやブランドはどのようなものになりそうなのか、そのヒントを教えてほしい。

アン・ソフィー:協業のすばらしいところは、常に私たちが今までやってきたことと全く違うということだ。各々のデザインは、自身の象徴となるものとインスピレーションが一体になったユニークなデザインだ。私は、そのブランドの世界観を体験できるように、お客さまをデザイナーの世界にすっかり熱中させようとしてきた。そして各々のコラボレーションは全てとてもすばらしい経験であり、私はそのような世界の有名デザイナーの方々と一緒に時間を過ごすことが出来てとてもラッキーだった。私たちは常に次のデザイナーズコラボレーションをすることにより、人々を驚かせていくことが好きだ。次のデザイナーも期待していてほしい。

「マメ」がパリコレデビュー “請求書の緑色”まで身の回りの美しいものを探す旅

黒河内真衣子が手掛ける「マメ(MAME KUROGOUCHI)」が初のプレゼンテーションをパリ・ファッション・ウイーク期間中に開催した。東京都と繊維ファッション産学協議会が主催する「ファッション プライズ オブ トウキョウ(FASHION PRIZE OF TOKYO)」の第1回の受賞で支援を受け、満を持して2018-19年秋冬コレクションをインスタレーション形式で発表した。

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黒河内はこれまで8年間で作り上げてきた“マメらしさ”を追求するため、原点に立ち返り、アトリエの周りに咲く草花をスケッチして柄としたり、調理器具のザルをニットの編み目として採用するなど、日常の身の回りにある美しい色やモノを集めてウエアに反映した。キーカラーの緑色は、アトリエの周りの枯れ葉の色や、領収書のミントグリーンの色合いからヒントを得た。

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また、フランス人建築家のシャルロット・ペリアン(Charlotte Perriand)が1940年代に日本で開いた展覧会「選択・伝統・創造」に触発された黒河内は、同展の資料に掲載されていた蓑(みの)や藁細工から影響を受けたタッセルやフリンジのディテールをモダンに加えた。日本製のオリジナル生地へのこだわりをそのままに、海外を意識したシルエットと、コレクションピースも増やした。異素材をミックスした装飾、マキシ丈や超ロングスリーブのオーバーサイズ感が新鮮だ。

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アクセサリーも充実している。シューズは三越伊勢丹のシューズブランド「ナンバートゥエンティワン(NUMBER TWENTY-ONE)」とのコラボで、草花の刺しゅうを入れたショートブーツや、サイハイブーツなどを披露した。ブランドの人気定番であるPVCバッグは、クリアなガラス細工のようなウエストポーチやバンブーハンドルのハンドバッグが仲間入りした。

会場にはモナ・ビスマルク アメリカンセンター(Mona Bismarck American Center)を選んだ。ギャラリーの3部屋を使い、1部屋はアラーキーこと荒木経惟と女性の官能美にフォーカスした写真と小浪次郎による記憶をテーマにした作品を展示。残る2部屋では、日本の屏風や障子をイメージした赤い仕切りを部屋の真ん中に立てて、その周りを新作を着たモデルが歩き回ったり、椅子に座ってポーズをとった。

3月19日には東京ファッション・ウイーク期間中にアマゾン ファッションによる支援プログラム「アット トウキョウ(AT TOKYO)」でショーを発表する予定だ。

「イケア」とヴァージルがコラボしたラグが再発売

「イケア(IKEA)」は6月1日、ヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)をはじめとする7組のクリエイターとコラボレーションした限定ラグコレクション“イケアアートイベント2019”を発売する。

optimize.webp (6)「イケア」は昨年12月にヴァージルとラグコレクションを発売し、先行販売会には約1万人が応募、正式ローンチでも即完売するなど大好評だった。今回は、ヴァージルがデザインしたラグのみ抽選販売を行う。申し込みは5月10日から20日まで公式サイトで受け付ける。同商品は、ペルシャ柄に“KEEP OFF”の文字がレイアウトされた前回一番人気のデザインで、縦200cm、横300cmと前回より大きいサイズとなる。価格は6万9990円(税込)で、「イケア」のメンバーシップクラブ「イケア ファミリー(IKEA FAMILY)」会員は5万9990円(同)。なお、今年11月に発売を控える両者の限定コレクション“マルケラッド(MARKERAD)”の中に今回販売されるラグは含まれない。

optimize.webp (5)ヴァージルは、「リビングを座ってくつろぐ場所というよりショールームみたいな場所にしてしまう、家具に対する昔気質の考え方を、アイロニックに取り上げてみました。親世代の“家具をだめにしないように”っていうあの発想は、今の若い人たちの家具に対する考え方に大きく影響していると思う」とコメントしている。

ヴァージル以外のクリエイターはアメリカ人デュオアーティストのチャオッザ(Chiaozza)、インスタレーション作品で国際的に活躍する日本人アーティストの河井美咲、韓国系フランス人アーティストのイ・スルギ(Seulgi Lee)、ブルックリンとスウェーデンを拠点に活動するアーティストのノア・ライオン(Noah Lyon)、ワルシャワを拠点に活動するグラフィックアーティストのフィリップ・パゴウスキー(Filip Pagowski)、折衷的アプローチをとるフランス人アーティストのスパキッチ(Supakitch)の6組。価格帯は3万9990円〜6万9990円(同)で、上記会員は1万円の値引きとなる。

「フェンディ」2019-20年秋冬ミラノ ボリュームと素材のコントラストで描く直線的グラフィカル

今季の「フェンディ(FENDI)」は、20世紀前半に活躍したスイス人女性アーティストのソフィー・トイバー・アルプの作品からインスピレーションを得た。丸や四角など単純な図形を用いて描く彼女の作風にちなみ、会場の壁面には巨大な円形の抽象画が並べられた。一方で、ランウエイでは、四角いアブストラクトなグラフィックをはじめ、レザーのパネリングやはめ込み細工のようなスムースなパッチワーク、並行に走る切り替えなどを多用し、直線的でグラフィカルなアイテムを提案した。
ファーストルックは、ややくすんだ白のヘアカーフで作るオーバーサイズコート。真っ白なスムースレザーで切り替えてラインを描いたり、襟を重ねたようなデザインを用いたりすることで、ワントーンのアイテムにアクセントを加えている。その後もメゾンコードのファーからウールやダウンまでさまざまな素材のアウターが登場するが、体を包み込むようなボリューミーなシルエットが今の気分だ。また、全体のスタイリングの軸になっているのは、“ミニ マキシ”というコンセプト。例えば、白シャツやコンパクトなタートルネックのニットには、ハイウエストのペンシルスカートや、パネリングがIラインを強調するレザーのスカートをコーディネート。逆に、ややフレアに広がるロング丈のトップスには、膝下をファーで飾った細身のコーデュロイパンツを合わせ、長短のコントラストを描いている。

optimize.webp (6)バッグとシューズも、ファー使いとグラフィカルなラインがポイントになっている。バッグには、“ピーカブー”のクラッチが登場したほか、昨シーズンから提案している“トレ バゲット”にも新たな2サイズをラインアップ。丸や四角の立体的なパーツで飾ったアイテムが印象的だ。シューズは全てのアイテムに氷の塊のような“アイスヒール”を採用。ショートブーツを中心にバリエーション豊富に打ち出した。

また、同ブランドはオートクチュール期間中の7月8日、ファーで構成するコレクション「オートフルール」のショーを行う予定だ。

スイス時計「オリス」 ジャパン社主導で80年代の隆盛をもう一度

「機械式時計のエントリーブランド」として、かつては日本でも高い周知度を誇ったスイスの時計「オリス(ORIS)」が、日本での事業を再構築している。足がかりとして、9月26日から10月1日までポップアップショップをゼロベース表参道にオープンした。同ブランドは1月に本国100%出資のオリスジャパン(東京、田中麻美子・社長)を設立し、輸入代理店のユーロパッションから国内事業を継承した。同社の田中社長は「ディスカウントショップに並んだり、ネットで並行輸入品が売られている現状がある。まずはこれを整理したい。さらに、伝えきれていなかったブランドの哲学も正しく伝える。ブランドのプレゼンスを構築したうえで、百貨店や専門店でコーナー展開したい」と述べた。ポップアップに合わせて来日したウルリッヒ・W・ヘルツォーク(Ulrich W. Herzog)=オリス グループ会長に、ジャパン社設立の狙いや日本でのビジネスビジョンを聞いた。

optimize.webp (2)本社直轄型の現地法人設立は日本が初?それとも世界的な戦略なのか?

ウルリッヒ・W・ヘルツォーク=オリス グループ会長(以下、ヘルツォーク会長):米国や中国などにも本国出資の現地法人を構えている。国や地域の特性、代理店との関係性などから判断しており、全てを直轄にしたいわけではない。ビジネスが成功している国や地域では、わざわざ方法を変える必要はない。

つまり日本のビジネスは成功していない?

厳しい質問だ。説明するには、少し時間をさかのぼる必要がある。クオーツショックを経験したスイス時計は80年代、疲弊していた。それでも当時、「オリス」は“その先”を見ていた。先鋭的なユーザーはもう一度、機械式時計に興味を持つことを予測したのだ。そこでポインターデイト(ダイヤル上に配された数字を専用の針で指し示し、日付を表す機能)を備えたモデルなどを大きく打ち出し、特にパリと東京でアピールした。その結果、日本をはじめ世界中で爆発的に売れ、「オリス」にとって日本は重要かつ大きなマーケットになった。

optimize.webp (1)それから40年。もう一度 、80年代の「オリス」のポジションを取り戻したい?

その通りだ。今のわれわれのビジネス規模からすると、今回のポップアップショップは思い切った決断だったが、日本にはそれくらいのポテンシャルがあると感じている。

ジャパン社設立もそのため?

代理店に預ける場合、彼らは「オリス」だけでなく他のブランドも見なくてはならない。しかし今の時代は、さまざまなものがダイレクトにつながっている。「オリス」も日本の市場やユーザーに直結する必要があった。

現在の日本の顧客層と中心価格帯は?

顧客層は50代以上で、中心価格帯は30万円前後だ。これを80年代のように、スタイリッシュな30~40代のビジネス層にしていきたい。広告戦略も新聞がメーンだったが、デジタルを使い多角的に行いたい。まずは周知回復。今回のようなポップアップショップやイベントが効果的だと考える。

具体的にどんなモデルを打ち出す?

アップデートしたポインターデイトをアピールしたい。「オリス」の象徴であるレッドローターを搭載したムーブメントの改良はもちろん、ダイヤルの色をピジョンブルーにして視認性をキープしたままファッショナブルにしている。風防もプレキシガラス(透明のアクリル)から、ドーム状の形状はそのままにサファイアクリスタルに変更している。もちろんモダンなモデルもリリースするが、ベゼルのデザインやダイヤルのフォントなどはアーカイブにインスパイアされているのが特徴だ。

「オリス」のアイデンティティーとは?

3つある。1つ目は、自動巻きを中心に全ての商品が機械式であること。もちろん100%スイス製だ。1985年に、まず日本流通分を全て機械式にした。その後、90年には全世界で実現した。2つ目は技術革新。3時位置のノンリニアパワーリザーブインジケーター(10日間分の動力残量を可視化する仕様)をはじめ、1年に1つの特許を取ることを目標にしている。3つ目はコングロマリットに属さない独立メゾンであること。これにより信念に基づいてアクションできる。

日本では高級時計が売れている。「オリス」は、この波にどう乗る?

いい時計を持ちたいというマインドは皆にあり、それに応えたい。高品質で適正価格の機械式時計を提供したい。

今回はポップアップだったが実店舗の出店計画は?

縁やタイミングにもよるが、まずは表参道エリアを中心とした東京に、次に大阪に作りたい。