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「フェンディ」2019-20年秋冬ミラノ ボリュームと素材のコントラストで描く直線的グラフィカル

今季の「フェンディ(FENDI)」は、20世紀前半に活躍したスイス人女性アーティストのソフィー・トイバー・アルプの作品からインスピレーションを得た。丸や四角など単純な図形を用いて描く彼女の作風にちなみ、会場の壁面には巨大な円形の抽象画が並べられた。一方で、ランウエイでは、四角いアブストラクトなグラフィックをはじめ、レザーのパネリングやはめ込み細工のようなスムースなパッチワーク、並行に走る切り替えなどを多用し、直線的でグラフィカルなアイテムを提案した。
ファーストルックは、ややくすんだ白のヘアカーフで作るオーバーサイズコート。真っ白なスムースレザーで切り替えてラインを描いたり、襟を重ねたようなデザインを用いたりすることで、ワントーンのアイテムにアクセントを加えている。その後もメゾンコードのファーからウールやダウンまでさまざまな素材のアウターが登場するが、体を包み込むようなボリューミーなシルエットが今の気分だ。また、全体のスタイリングの軸になっているのは、“ミニ マキシ”というコンセプト。例えば、白シャツやコンパクトなタートルネックのニットには、ハイウエストのペンシルスカートや、パネリングがIラインを強調するレザーのスカートをコーディネート。逆に、ややフレアに広がるロング丈のトップスには、膝下をファーで飾った細身のコーデュロイパンツを合わせ、長短のコントラストを描いている。

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バッグとシューズも、ファー使いとグラフィカルなラインがポイントになっている。バッグには、“ピーカブー”のクラッチが登場したほか、昨シーズンから提案している“トレ バゲット”にも新たな2サイズをラインアップ。丸や四角の立体的なパーツで飾ったアイテムが印象的だ。シューズは全てのアイテムに氷の塊のような“アイスヒール”を採用。ショートブーツを中心にバリエーション豊富に打ち出した。

また、同ブランドはオートクチュール期間中の7月8日、ファーで構成するコレクション「オートフルール」のショーを行う予定だ。

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